臨床精神医学第50巻第6号

自殺予防への心理学的試み

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  • 衞藤 暢明(福岡大学)
  • 発行日:2021年06月28日
  • 〈抄録〉
    自殺予防において心理学的理解や心理療法は重要なものである。自殺行動に関連した心理として,不安,絶望,衝動性・攻撃性などがある。これらの心理は,精神医学的な診断とは独立して自殺行動に関与している可能性がある。自殺行動に直接的に影響する心理状態として,筆者は心理的視野狭窄,焦燥感,変動する自殺念慮の3つを臨床的な観察,介入の焦点としており,自殺予防の管理的側面と組み合わせることで自殺予防に対する有効な働きかけが可能となる。自殺予防を目的として行われる心理療法には,精神力動的精神療法,弁証法的行動療法,問題解決療法,認知療法などがあるが,全体として有効性を示すエビデンスは十分でなく,今後さらなる検証が必要である。自殺行動に対する精神分析的な理解として,患者と治療者が思考する枠組みをどう提供し,そこで両者が考えていくことが重要であり,自殺予防における心理療法の本質であると考える。

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Psychological approach to the suicide prevention
衞藤 暢明
福岡大学医学部精神医学教室