臨床精神医学第50巻第6号

わが国における自殺者の動向─過労死,男女差,若者の自殺(特に大学生)をめぐって─

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  • 内田 千代子(星槎大学)
  • 発行日:2021年06月28日
  • 〈抄録〉
    戦後日本の自殺の推移をみるとピークが3回あり,1998年からの主に中高年男性の自殺者の急増は第3のピークであった。男性が7割を占めており男性の自殺率は失業率とほぼ同期している。若者の自殺が多いことも特徴で,15 ~ 39歳の死因の第一位が自殺となっており,国際的にみてもこのような国は先進国では日本のみである。「過労自殺」は,失業や過重労働と自殺との関係が社会制度や社会規範の影響を受けることを再認識させ,日本社会の問題点を浮き彫りにする。自殺率の男女差はジェンダー問題の比率が高い。若者の自殺について,大学生の自殺調査の結果を通して検討した。自殺は大学生の死因の1位であり,男子に多いが医歯学部では男女差がない。留年休学などの過年度生(ひきこもり学生),医学部で自殺率が高い。診断はうつ病,統合失調症が多かったが,80%以上が相談も治療も受けずに自殺している。群発自殺,SNSの功罪等,若者の自殺予防で検討すべき課題は少なくない。

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Suicide in Japan : Karoshi, gender difference and young people –especially university students
内田 千代子
星槎大学大学院教育実践研究科