臨床精神医学第50巻第6号

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  • 特集/自殺行動の背景と自殺防止対策
  • 発行日:2021年06月28日
  • <企画趣旨>
    我が国の自殺者数は、平成10年に3万2,863人、15年には統計を取り始めた昭和53年以降で最多の3万4,427人となり、その後3万2千人から3万3千人台で推移した後、平成22年以降は9年連続の減少となり、30年は2万840人となった。しかしながらコロナ禍の我が国では自殺者数の増加への懸念が言われている。一方、米国における自殺者数は2000年以降一貫して増加しており、米国では2025年までに自殺者数を20%減少させるとのキャンペーンが行われている。米国における自殺の状況は、年間48,00人の自殺者が記録されており、死因の10番目となっている。10~34歳層では死因の2番目、35~54歳層では死因の4番目であり、50%以上が銃による自殺であり、60%の自殺者がうつ病者であることも報告されている。さらに自殺企画は140万件/年間が報告されている。このような米国での状況を考えると、わが国においても、自殺者増加への備えが必要であろう。本特集では、自殺をめぐる生物心理社会的要因とその予防策についての特集とした。

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<目次>
自殺予防の戦略と精神医学の役割(札幌医科大学)河西 千秋
ヒトはなぜ自殺するのか(筑波大学)太刀川 弘和
日本(113年間)および海外5か国(65年間)の年齢別自殺率,その長期的・短期的変動─「自殺率世代マップ」からの所見と考察─(埼玉医科大学)豊嶋 良一
米国における自殺予防プログラムの実践(大阪河﨑リハビリテーション大学)武田 雅俊
わが国における自殺者の動向─過労死,男女差,若者の自殺(特に大学生)をめぐって─(星槎大学)内田 千代子
コロナ禍における自殺の増加(国立精神・神経医療研究センター)本橋 豊
自殺と自殺未遂について─川崎市における調査研究をもとに─(川崎市総合リハビリテーション推進センター)竹島 正・他
自殺および自殺未遂の遺伝子解析研究(奈良県立医科大学)小森 崇史・他
自殺の神経生物学的異常(コロンビア大学)大塚 郁夫・他
自殺に関与する神経回路・脳機能画像(日本医科大学多摩永山病院)肥田 道彦
自殺とパーソナリティ(中京大学)川島 大輔・他
自殺予防への心理学的試み(福岡大学)衞藤 暢明
自殺予防への社会学的試み─地域づくりで自殺を減らす─(秋田大学)佐々木 久長
研究報告
ナルコレプシー患者が抱えている顕在または潜在ニーズの実態調査 種村 菜奈枝・他
短 報
大学生を対象とした性別違和感に関するアンケート調査 鷲見 聡・他