臨床精神医学第50巻第6号

コロナ禍における自殺の増加

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  • 本橋 豊(国立精神・神経医療研究センター)
  • 発行日:2021年06月28日
  • 〈抄録〉
    新型コロナウイルス感染症パンデミックの初期(2020年4~6月)には自殺者数は減少し,2020年7 ~ 11月には自殺者数は増加した。コロナ禍初期の自殺者数の減少は社会的不安の増大と社会的努力の可視化が寄与している可能性,さらに緊急事態宣言下の外出自粛が減少に寄与した可能性が考えられた。2020年7 ~ 11月の自殺者数増加の背景には,非正規雇用の職員・従業員数の失職に代表される雇用環境の悪化,社会的接触制限のメンタルヘルスへの影響,コロナ禍の遷延によるハイリスク集団の自殺リスクの増加,家庭内暴力等の増加,有名人の自殺報道によるウェルテル効果,政府の支援策の緩和効果などが考えられた。解雇見込みの非正規雇用労働者数と女性自殺者数の時系列データについてベクトル自己回帰分析とグレンジャー因果性検定を行ったところ,非正規雇用の職員・従業員数の時系列から自殺者数の時系列に向かう因果の方向性において,統計学的に有意なグレンジャー因果性が認められた。

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本橋 豊
国立精神・神経医療研究センター