肝胆膵第79巻第4号
重症急性膵炎の治療アップデート
電子書籍のみ

- 廣田 衛久(東北医科薬科大学)
- 発行日:2019年10月28日
- 〈要旨〉
重症急性膵炎に対する初期治療である輸液・栄養療法・予防的抗菌薬・鎮痛治療・蛋白分解酵素阻害薬膵局所持続動注療法(動注療法)について最近の知見を解説する.重症急性膵炎では初期に急速な輸液が必要である.脱水の程度に応じて250 ~500 mL/時の速度で輸液を開始し,平均血圧65 mmHg以上かつ尿量0.5 mL/kg/時以上を維持することを目標に,適宜輸液速度を減らし過剰な輸液にならないように注意する.発症早期に経腸栄養または,可能であれば経口摂取を開始し,腸管を使うことが重要である.予防的抗菌薬は経腸栄養を行うことができない重症例に限定すべきである.動注療法の有効性については前向き比較試験による検証が必要である.
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Advances in the treatment strategy for severe acute pancreatitis
廣田 衛久
東北医科薬科大学医学部内科学第二(消化器内科)