肝胆膵第79巻第3号

肝細胞癌の分子標的治療における奏効と予後の関係

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  • 工藤 正俊(近畿大学)
  • 発行日:2019年09月28日
  • 〈要旨〉
    ヨーロッパ肝臓学会(EASL)の2018年の肝癌診療ガイドラインではlocoregional therapy〔ラジオ波やTACE(塞栓療法)などの局所療法〕などの奏効は予後の規定因子であることが明確に記されている.それと同様に肝細胞癌に対する分子標的治療の奏効は予後を予測し,かつ規定する因子であることも明記されている.ただし,さらなるデータの集積も必要と述べられている.このEASLのガイドラインのなかには二つの文献が引用されている.すなわち, Mayerらの論文とLencioni らの論文である.しかしながら,その後さらに2019 年1 月ASCO-GIで筆者らによって発表されたREFLECT試験のresponder解析ならびにSILIUS試験のソラフェニブ群を解析した結果が最近公表された.これにより,この四つの前向き比較試験がともにguarantee-time bias を排除する手法,①全生存期間の解析にログランクテストではなくマンテルバイヤー検定を採用すること,②複数のtime pointでランドマーク解析を行うこと,③奏効を時間依存共変量として多変量解析を行うなどの条件を満たしていることから,極めて信頼できるデータである.これらを統合した四つのメタ解析の結果も近く論文が公表される予定である.

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Relationship between objective response by molecular targeted therapy and overall survival
工藤 正俊
近畿大学医学部消化器内科