臨床精神医学第49巻第6号

  • 特集/精神科領域におけるニューロモデュレーションとその応用
  • 発行日:2020年06月28日
  • <企画趣旨>
    精神科領域においては、過去にロボトミーや電気けいれん療法が誤った使い方をされた時代があり、こうした治療法に関して抑制的にならざるを得ない時代が長くあった。しかし、電気けいれん療法が難治性うつ病の治療として重要な地位を確立し、経頭蓋磁気刺激がうつ病に対して保険適用となった今、ニューロモデュレーションのさらなる展開について検討すべき時期がきているといえよう。本特集では、ニューロモデュレーションの現在と未来について考えてみたい。

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〈目次〉
ニューロモデュレーションの系譜
 (京都大学)川島 啓嗣・他
うつ病の治療に対する経頭蓋磁気刺激療法
 (東京慈恵会医科大学)山崎龍一・他
経頭蓋磁気刺激と脳波を用いた神経生理学検査法
 (慶應義塾大学)野田 賀大
発達障害における経頭蓋磁気刺激の神経科学とエビデンスレベル
 (昭和大学発達障害医療研究所)中村 元昭
統合失調症の認知機能障害に対するtDCSの有用性
 (ジョンズ・ホプキンス医学大学院)成田 瑞・他
うつ病・うつ状態における経頭蓋直流電気刺激の効果
 (関西医科大学)佃 万里・他
発達性吃音に対する経頭蓋直流電気刺激
 (東京都立大学)橋本 龍一郎
薬剤抵抗性てんかんに対する迷走神経刺激療法
 (自治医科大学)石下 洋平・他
電気けいれん療法の最近の進歩
 (熊本大学)竹林 実
メインテナンスECT
 (日本医科大学)坂寄 健・他
パーキンソン病に対する深部脳刺激の精神面への影響
 (順天堂大学)伊藤 賢伸・他
トゥレット症候群に対する脳深部刺激療法の効果と実際
 (国立精神・神経医療研究センター病院)木村 唯子・他
強迫性障害に対する深部脳刺激
 (浜松医科大学)山末 英典・他
ニューロモデュレーションの倫理的課題
 (生命倫理政策研究会)橳島 次郎
<研究報告>
 日中の眠気を主訴とする症例の臨床的研究
  ─ナルコレプシーとADHD の関連─
  山田 威仁・他