肝胆膵第76巻第2号
DAA治療による肝発癌・再発抑制効果-自験例から-
電子書籍のみ
- 中川 美奈,他(東京医科歯科大学)
- 発行日:2018年02月28日
- 〈要旨〉
DAA治療もIFN治療同様に肝発癌抑止効果を有するか,まだ十分な意見の一致をみていない.筆者らの検討では,IFNベースとIFNフリー治療の背景因子は異なり,肝発癌寄与因子とされている年齢,性別,肝線維化など有意に違うことから,傾向スコアマッチングにより背景因子を揃えて比較したところ,治療後早期の新規発癌,再発は両治療群で有意差なしと結論した.また,肝発癌寄与因子についてCox比例ハザードモデルを用いて解析したところ,肝発癌,再発ともに治療後M2BPGiが線維化に関係なく有意因子として同定され,治療効果判定時のM2BPGiが高い患者群では,ウイルス駆除後も,発癌リスクが高く注意が必要であることが明らかとなった.
詳細
An inhibitory effect for both HCC occurrence and recurrence by viral eradication after DAA treatment –analysis of our prospective database–
中川 美奈1,2) 永田 紘子1) 朝比奈 靖浩1,3)
1)東京医科歯科大学消化器内科
2)同 統合教育機構
3)同 肝臓病態制御学