臨床精神医学第54巻第9号

レボチロキシンによる医原性甲状腺機能亢進症によりせん妄を呈した慢性甲状腺炎の1症例

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  • 武田 隆綱(武田メンタルクリニック)
  • 発行日:2025年09月28日
  • 〈抄録〉
    レボチロキシンによる医原性甲状腺機能亢進症によりせん妄を呈した慢性甲状腺炎の1症例を経験した。症例は当院初診時86歳の女性である。75歳時に慢性甲状腺炎による甲状腺機能低下症と診断され,レボチロキシン50μgの投与を受けるようになった。甲状腺刺激ホルモン(TSH)が高値で遊離チロキシン(FT4)が低値であったため,レボチロキシンが150μgまで増量された。その3か月後にせん妄が出現した。甲状腺機能検査でTSHが低値でFT4が高値であったため,レボチロキシンによる医原性甲状腺機能亢進症によるせん妄と診断した。ブレクスピプラゾールを投与し,レボチロキシンを100μgに減量したところ,4週後にTSHとFT4は正常値となり,せん妄は消失した。その後ブレクスピプラゾールの投与を中止したが再発はみられない。本症例の経験から,レボチロキシンによる医原性甲状腺機能亢進症によりせん妄を呈する可能性があることが示唆される。

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武田 隆綱
武田メンタルクリニック