臨床精神医学第54巻第9号
テクノロジーが変える精神科医療─VRデジタル療法とうつ病治療─
電子書籍のみ

- 松村 雅代(株式会社BiPSEE)
- 発行日:2025年09月28日
- 〈抄録〉
うつ病は標準的な薬物療法で寛解しない患者も多く,認知行動療法(CBT)の補完が有効とされるものの,現状では,CBTの活用率は低いという課題がある。この課題を解決すべく,われわれはVirtual Realityとスマートフォンを組み合わせ,患者が自宅で利用するVRデジタル療法を開発した。本療法は,薬物療法への抵抗性の要因の一つとされる「過剰な反すう思考」をターゲットとし,反すう焦点化CBT(RFCBT)とメタ認知療法(MCT)を基盤とし,患者が,①症状に気づき,②対処スキルを学び,③対処スキルを実践する,ことを支援する。また,医師アプリを通じ,主治医は患者の症状改善や取り組み状況を随時確認することができ,定期通院の時間を有効に活用することができる。VRデジタル療法は臨床研究で有効性と安全性を確認し,薬事承認の審査を担う医薬品医療機器総合機構(PMDA)の優先審査指定を受け,現在,検証治験の準備中である。
詳細
Advancing psychiatric care: VR digital therapeutics and depression treatment
松村 雅代*1,2
*1株式会社BiPSEE
*2高知大学医学部「医療×VR」学講座