臨床精神医学第54巻第9号
社会的処方
電子書籍のみ

- 西 智弘(川崎市立井田病院)
- 発行日:2025年09月28日
- 〈抄録〉
社会的孤立・孤独が健康に与える影響と,社会的処方の重要性が世界中で注目されている。日本の孤独感調査で,孤独感を感じる機会が「しばしばある・常にある」が4.3%,「時々ある」が15.4%であり,孤独を感じるのは主に20 代と30 代の若者と報告された。国は,孤独・孤立対策推進法を制定し,法に基づいての対策を進めているが,その取り組みはまだ始まったばかりだ。その法に基づいた政府の重点計画でも明記された社会的処方は,医療者や地域住民が患者を地域の社会資源に結びつける手法である。この仕組みの中ではリンクワーカーが重要な役割を果たし,地域資源を活用する。ただし社会的処方の効果に関する研究はまだ不十分である。メンタルヘルスの改善や内服薬の減少が報告されているが,研究の質に課題があり,これからの実践と研究の進歩が求められている。社会的処方の効果を最大限に引き出すためには,医療者と地域の協力が重要である。
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Social prescribing
西 智弘*1,2
*1川崎市立井田病院腫瘍内科
*2一般社団プラスケア代表理事