臨床精神医学第54巻第9号

社会的レジリエンスを高めるために,私たちにできることは何か─日本で“最も”自殺の少ない町からの学び─

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  • 岡 檀(統計数理研究所医療健康データ科学研究センター)
  • 発行日:2025年09月28日
  • 〈抄録〉
    日本の自殺率は経済問題の影響を受けやすく,失業率との関係はOECD諸国の中で最も強い。経済状態が悪化するたびに自殺率が上昇し,経済状態が改善されれば下降するという現象を繰り返している。しかしグローバル経済は複雑系で,災害と同様に予測もコントロールも困難であるのだから,たとえ経済がどれだけ悪化したとしても自殺が増えないという,レジリエンス(柔軟に対応する能力,回復力)の高い社会を目指すべきではないか。そのためには,自殺危険因子への対処だけではなく“自殺予防因子” ―自殺の危険を抑制する因子も複眼的に取り入れて検討すべきというのが,筆者の主張である。本稿ではまず,日本で“最も”自殺の少ない町をフィールドとして筆者が2010年から続けている自殺予防因子の研究について報告する。第二に,それら自殺予防因子の定着に向けた試みを紹介する。最後に,社会的レジリエンスを高めるためにわれわれができることについて,筆者の考えを述べる。

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What can we do to enhance social resilience? Insights from the town with the lowest suicide incidence in Japan
岡 檀
情報・システム研究機構統計数理研究所医療健康データ科学研究センター