臨床精神医学第54巻第9号
子どものこころの発達と社会─摂食障害の低年齢化と臨床像の変化から考える─
電子書籍のみ

- 木村 記子・他(なにわ生野病院)
- 発行日:2025年09月28日
- 〈抄録〉
近年,摂食障害は低年齢化や臨床像の多様化がみられ,その背景には家庭内外の人間関係の希薄化やテクノロジーの進展といった社会環境の変化がある。現代の子どもたちは“自己のあり方”を日常の対人交流のなかではなく,インターネットを使って自分の内面と孤独に向き合いながら模索していく。摂食障害の背景病理においても,従来の“他者からの評価”を重視する傾向から,ARFIDやASD併存例にみられるような“自己の内面に生じる不安やこだわり”の強さが前景化してきている。また,摂食障害患者の家族関係をみても,従来の密着・敵対的な構図よりも,お互いに距離をとりあっていることも多い。本稿では,これらの臨床像の変化をもとに,子どもの心の発達と社会との関係性について考察し,現代の子どもたちに即した多角的な理解と支援の重要性について述べた。
詳細
Children’s mental development and society- considering the younger age of onset of eating disorders and the changing
clinical picture
木村 記子*1 岡田 俊*1,2
*1社会医療法人弘道会なにわ生野病院心療内科
*2奈良県立医科大学精神医学講座