臨床精神医学第54巻第4号
月経困難症(Dysmenorrhea)と精神疾患
電子書籍のみ

- 吉野 修・他(山梨大学)
- 発行日:2025年04月28日
- 〈抄録〉
月経困難症は妊娠可能年齢の女性の約45 ~ 95%に発生し,生活の質を著しく低下させる要因となっている。原発性月経困難症では,プロスタグランジンの過剰分泌による子宮筋収縮が痛みを引き起こし,慢性的な痛みによる中枢感作が進行する。この病態は,抑うつ,不安,睡眠障害などの精神疾患とも密接に関連しており,特に抑うつ障害のリスクが顕著である。近年のメタアナリシスでは,月経困難症患者は抑うつ発症率が非患者の約2倍と報告されており,この背景には,ホルモン変動や炎症性サイトカインの影響があり,セロトニン代謝の変化が心理的健康に影響を及ぼしている可能性がある。本稿では,月経困難症と精神疾患の関連を病態生理や心理的要因から解析し,包括的な治療アプローチの必要性についても提案させていただく。
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The relevance between dysmenorrhea and mental disorders
吉野 修 田中 孝太 中込 彰子
山梨大学医学部産婦人科