臨床精神医学第54巻第4号
骨粗鬆症(Osteoporosis)と精神疾患
電子書籍のみ

- 萩野 浩(山陰労災病院)
- 発行日:2025年04月28日
- 〈抄録〉
骨粗鬆症は骨折のリスクが増大する骨格疾患で,わが国の患者数は1,590万人である。骨粗鬆症は原発性骨粗鬆症と続発性骨粗鬆症とに分類され,原発性骨粗鬆症の診断は脆弱性骨折の既往と骨密度に基づいて行う。骨粗鬆症の治療には薬物療法,運動療法,食事療法があるが,骨折予防の明確なエビデンスを有するのは薬物療法のみである。治療薬剤は骨折予防効果を有する6種類の薬剤から,各症例の骨折リスクに応じて選択する。精神疾患患者は一般高齢者と比べて骨密度が低く,骨量減少症や骨粗鬆症の有病率が高値である。さらに精神疾患患者では,疾患自体のみでなく,不動によるサルコペニアや治療薬剤が転倒リスク上昇をもたらすため,骨折リスクが高い。骨粗鬆症は骨折が発生する以前には臨床症状に乏しいことから,精神疾患患者の治療にあたっては骨粗鬆症の合併の有無と骨折リスクの評価を考慮する。
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Osteoporosis and psychiatric disorders
萩野 浩
独立行政法人労働者健康安全機構山陰労災病院リハビリテーション科