臨床精神医学第54巻第4号

心不全(Heart failure)と精神疾患

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  • 伊藤 準之助・他(杏林大学)
  • 発行日:2025年04月28日
  • 〈抄録〉
    心不全患者は,身体的苦痛に加え,精神的苦痛・社会的苦痛・スピリチュアルな苦痛も抱えている。心不全患者は増悪予防のために,厳格なセルフケアが求められ,その心理的負担は大きい。そのため,心不全には精神症状や精神障害が多く合併するが,多くは残念ながら見逃されている。また,心不全は,肺うっ血による低酸素血症,脳への低灌流,さまざまな併存疾患を伴うことから,認知機能障害やせん妄などの神経認知障害のハイリスクでもある。これらの精神障害の合併は,心不全の予後悪化に影響を及ぼしかねない。そのため,適切なスクリーニングとマネジメントが求められるが,その方法論については不明点も多く,精神科・循環器科医療チームの連携体制の構築が重要となる。本稿では,心不全と関連の多い精神症状として,抑うつ・不安・認知機能障害・せん妄を取り上げて,疫学,臨床的意義,診断・治療方法について,近年のエビデンスをふまえて述べる。

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Psychiatric disorders related to heart failure
伊藤 準之助 河野 隆志
杏林大学医学部付属病院循環器内科