臨床精神医学第53巻第3号
漢方薬 総論
電子書籍のみ

- 貝沼 茂三郎(富山大学)
- 発行日:2024年03月28日
- 漢方医学は中国から伝来し,日本の気候風土や体質に合わせて独自の発展を遂げた日本の伝統医学である。明治時代に衰退する時期はあったが,現在では臨床医の80~90%が漢方薬を処方し,医学部では卒前教育で漢方医学教育が必修となっている。西洋医学は要素還元論的に原因を追及し,その原因に的を絞った治療を行うが,漢方医学は心身一如として健康状態からシフトした生体のアンバランスを是正し,自然治癒能力を十分に発揮させるように援助する。漢方薬は複数の生薬の複合剤であるから,効能と生薬の薬能が必ずしも一致しない。漢方薬を適切に処方するためには漢方医学特有の基本的な考え方を理解し,四診を通じて漢方医学的な診断(証)を行い,それに基づいて漢方薬を選択する。効果判定は慢性疾患でも4週間程度で行い,最終的には治療終了を目指す。副作用としては偽アルドステロン症,肝障害,間質性肺炎,腸間膜静脈硬化症などに注意する。
詳細
General theory of Kampo medicine
貝沼 茂三郎
富山大学学術研究部医学系和漢診療学講座