臨床精神医学第52巻第9号
前頭側頭型認知症における治療薬の開発状況
電子書籍のみ
- 森 康治・他(大阪大学)
- 発行日:2023年09月28日
- 〈抄録〉
本稿では前頭側頭型認知症(前頭側頭葉変性症)の治療薬開発状況について最新の状況をまとめる。欧米では家族例を中心に,特にTDP-43蓄積型のGRN変異,C9orf72変異を中心に疾患修飾薬候補の開発が進んでいる。前頭側頭型認知症の背景病理は複雑であり,臨床所見だけでの予測が困難な場合が多いことから孤発例の疾患修飾薬開発を円滑にすすめるためには生前,特に病初期に背景病理を予測可能なバイオマーカーの開発,さらには統計的な検出力を高めた効率的な臨床治験デザインの開発が必要である。
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Development status of therapeutic agents in frontotemporal dementia
森 康治 池田 学
大阪大学大学院医学系研究科精神医学