臨床精神医学第52巻第9号

疾患修飾薬に対する認知症関連学会の考え方

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  • 冨本 秀和(済生会明和病院)
  • 発行日:2023年09月28日
  • 〈抄録〉
    抗認知症薬は臨床的にもその有用性が受け入れられているが,保険承認からすでに20年以上が経過している。一方,疾患修飾療法に関しては,1999年,Shenkらがアミロイドβ能動免疫による根本治療の可能性をマウスの実験で証明し,治療開発の端緒となった。その後,ヒトを対象とした開発の歴史が始まったものの,自己免疫性脳炎の副作用の報告や,アミロイドβの低重合体を治療標的とした治験が相次いで失敗し,紆余曲折を重ねてきた。困難な状況が続く中で,一時はアミロイドβがアルツハイマー病の原因であるとするアミロイドカスケード仮説そのものにも見直しの機運を生じていた。しかし,その後,線維性Aβやプロトフィブリルを治療標的とする治験の結果が報告され,沈着したアミロイドβの減少程度と臨床的改善度が相関することが明らかとなりアミロイドカスケード仮説の正しさが証明される結果となった。このような苦難の歴史を経て,認知症関連学会は疾患修飾薬の登場の可能性について期待をもって受け止めている。

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Recognition of dementia-related academic society against disease modifying therapy
冨本 秀和*1,2
*1済生会明和病院
*2三重大学大学院医学系研究科