臨床精神医学第52巻第9号

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  • 特集/認知症診療新時代の展望と課題
  • 発行日:2023年09月28日
  • <企画趣旨>
    米国では,アルツハイマー病における複数の疾患修飾薬(抗アミロイドβ抗体)がFDAより承認され,欧州や本邦でも現在承認申請中である。疾患修飾薬がもし導入された場合,これまでも専門的な認知症診療の一翼を担ってきた精神科医には大きな役割が期待されるはずである。しかし,既存の抗認知症薬を中心とした認知症の薬物療法とは,診断方法や副作用の検出などの医療体制,医療経済的問題,超早期の告知の可能性など,これまで経験したことのない課題に直面することになると思われる。一方,アルツハイマー病の疾患修飾薬を用いた治療戦略がある程度の治療効果をもたらすならば,レビー小体病や前頭側頭葉変性症など,他の変性性認知症の治療にも大きな可能性が生まれてくるはずだ。いずれにしても,2000年前後に初めての抗認知症薬としてドネペジルが上市され,介護保険制度が開始されたとき以来の,大きな変革期が認知症診療に訪れようとしているように思われる。本特集では,認知症診療新時代の展望と課題を,さまざまな角度からエキスパートの先生方に解説いただく。

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詳細

<目次>
認知症診療新時代の幕開けか? (大阪大学)池田 学
アルツハイマー病の疫学 (九州大学)小原 知之
アルツハイマー病に対する疾患修飾薬の開発状況 (東京大学)岩坪 威
アルツハイマー病におけるバイオマーカーの開発状況 (東京都健康長寿医療センター)栗原 正典・他
疾患修飾薬と医療経済学的課題 (国際医療福祉大学)池田 俊也
疾患修飾薬と超早期告知の課題 (The Oxford Uehiro Centre for Practical Ethics)和氣 大成
疾患修飾薬に対する認知症関連学会の考え方 (済生会明和病院)冨本 秀和
既存の抗認知症薬の開発の歴史と今後の役割 (青梅慶友病院)櫻井 博文
認知症疾患医療センターと認知症初期集中支援チームの役割と課題 (東京都健康長寿医療センター)粟田 主一
アルツハイマー型認知症のBPSD 治療の現在 (高知大学)森田 啓史・他
レビー小体病における治療薬の開発状況 (横浜舞岡病院)千葉 悠平・他
前頭側頭型認知症における治療薬の開発状況 (大阪大学)森 康治・他
シリーズ/精神科医に知ってもらいたい医学生物学の先端技術
脳オルガノイド 神山 淳
総説
大麻精神病と無動機症候群─サイケデリック体験の後遺症─ 小田 晶彦・他