臨床精神医学第52巻第9号

既存の抗認知症薬の開発の歴史と今後の役割

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  • 櫻井 博文(青梅慶友病院)
  • 発行日:2023年09月28日
  • 〈抄録〉
    アルツハイマー病の既存の治療薬として,3種類のコリンエステラーゼ阻害薬(ドネペジル,ガランタミン,リバスチグミン)とメマンチンの4剤が現在の臨床では広く使用されている。ドネペジルは半減期が長いこと,ガランタミンはニコチン受容体増強作用を有すること,リバスチグミンはブチリルコリンも阻害することなど,3剤の作用機序に若干の違いはあるが,効果に明らかな差は認められない。中等度以上の認知症ではコリンエステラーゼ阻害薬とメマンチンの併用が可能である。現在の症状改善薬の役割として,①使用前に正確な臨床診断を行う。②認知症の人と家族は,治療薬があることで希望を持てる。③投薬の機会に服薬管理を含む生活環境の支援につなげる。④定期的な外来通院は,認知症の進行に応じた対応や非薬物療法を指導する機会になる。近く疾患修飾薬が登場した場合でも,既存の症状改善薬の役割は変わらないことを強調したい。

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Development history of existing drugs for dementia and their future roles
櫻井 博文*1,2
*1青梅慶友病院
*2東京医科大学高齢総合医学分野