臨床精神医学第50巻第12号

精神疾患患者における自動車運転技能―認知機能に着目して―

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  • 岩田 麻里・他(名古屋大学)
  • 発行日:2021年12月28日
  • 〈抄録〉
    自動車運転は日常生活に不可欠で,移動の自由を支える行為である。しかし本邦では精神疾患患者の状態の如何にかかわらず,診断名や内服薬のみで患者の運転が制限されており,これは証左に基づいた規制とはいい難い。これまでの科学的検証における疫学研究では結果に統一性がなく,交絡因子も多いため解釈も困難である。一方,実験的研究により,認知機能検査に基づく運転適性検査では,一部の精神疾患患者は運転適性に問題があると判断されるものの,減速走行するなどの運転行動の代償や,病状が安定していれば健常対照群と有意に異ならないとの報告もある。うつ病患者においては治療によって運転技能が改善することが示され,向精神薬は長期的には精神疾患患者の運転技能を改善あるいは安定させる可能性が示唆されている。精神疾患患者の自動車運転についてはいまだ証左が乏しいが,臨床医はすべての情報を勘案し,個別的に運転適性を判断することが望ましい。

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詳細

Driving performance in patients with psychiatric disorders –focusing on cognitive function–
岩田 麻里 岩本 邦弘 尾崎 紀夫
名古屋大学大学院医学系研究科精神医学分野