臨床精神医学第50巻第12号

向精神薬多剤療法が認知機能に与える影響

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  • 山本 暢朋・他(国立病院機構榊原病院)
  • 発行日:2021年12月28日
  • 〈抄録〉
    認知機能障害は精神疾患の転帰に多大な影響を及ぼすが,向精神薬が患者の認知機能に対して影響を及ぼすことが指摘されている。抗パーキンソン薬や抗コリン作用を有する薬剤およびベンゾジアゼピン系抗不安薬・睡眠薬は,認知機能に悪影響を及ぼすことがしばしば報告されている。また,第2世代抗精神病薬では認知機能の改善が報告されているものの,治療抵抗性統合失調症治療薬であるクロザピンに関しては評価が分かれる。ラモトリギンについては,双極性障害うつ病相患者の認知機能を改善したという報告が存在する一方,統合失調症患者では認知機能の改善効果がみられないと報告されている。抗うつ薬では,特にボルチオキセチンの認知機能改善効果が報告されている。向精神薬の多剤療法が認知機能に良好な影響を与えるという明確な証拠はなく,認知機能障害を予防するという観点からは,向精神薬多剤療法は早急に是正することが望まれる。

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Effects of psychotropic polypharmacy on cognitive dysfunction
山本 暢朋*1 稲田 俊也*2
*1独立行政法人国立病院機構榊原病院精神科
*2名古屋大学大学院医学系研究科精神医療学寄附講座