臨床精神医学第50巻第12号

うつ病の経過と認知機能障害

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  • 前嶋 仁(順天堂大学越谷病院)
  • 発行日:2021年12月28日
  • 〈抄録〉
    うつ病を対象とした認知機能障害の研究は認知症や統合失調症の研究に遅れ1970年代より活発となり,その後約50年間のエビデンス蓄積により2019年には大規模なメタ解析が報告された。これまでのエビデンスによれば,うつ病の病相期には認知機能障害が存在し,適切な治療により改善するものの寛解期においても一部の認知機能障害は残存することが示唆されている。特に記憶,注意,遂行機能といった認知領域における障害は再現性の高い結果と思われ,メタ解析の結果もこれらの認知領域における障害を示唆している。しかし反復性の経過や発症年齢,サブタイプなどうつ病の特徴が認知機能に及ぼす影響や,様々な認知領域ごとの差異など今後十分な検討を要する課題もある。さらに今日では認知機能障害の長期的推移や,それが社会機能に及ぼす影響,再発との関係についての関心が高まっておりさらなるエビデンスの蓄積が期待されている。

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Cognitive function in the clinical phases of depression
前嶋 仁
順天堂大学医学部附属順天堂越谷病院メンタルクリニック