臨床精神医学第50巻第7号
口腔ケアは周術期精神疾患患者の発熱を減らした
電子書籍のみ
- 鈴木 鉄夫・他(東京都立松沢病院)
- 発行日:2021年07月28日
- 〈抄録〉
精神神疾患患者では,抗精神病薬の副作用のため嚥下機能障害・口腔乾燥が生じやすく,精神状態の影響により口腔清掃状態が不良になることがあり,全身麻酔においては,口腔の汚染のため,呼吸器感染症のリスクが高まる可能性がある。歯科において術前術後の専門的口腔ケアや歯科疾患の管理を行う「口腔機能管理」を行い,口腔環境を改善し呼吸器感染症を予防することが期待される。この研究は,全身麻酔下に手術を受ける精神疾患患者に対して周術期口腔機能管理を導入することが,術後感染症のリスク低減効果を有するか否かを検証するものである。手術後38℃以上の発熱が3日以上続いた頻度を比較すると,口腔機能管理導入前の13.3%から導入後は4.6%と有意に減少していた。口腔機能管理により,精神疾患患者手術後の術後発熱が改善する可能性が示唆された。
詳細
Oral care reduced feverishness of perioperative psychiatric patients in our hospital
鈴木 鉄夫*1 植村 順一*1 小幡 浩子*1 成瀬 裕子*1 梅村 朱美*2 齋藤 正彦*3
*1東京都立松沢病院歯科
*2東京都立松沢病院看護部
*3東京都立松沢病院精神科