臨床精神医学第50巻第7号

心の哲学における4つの新動向

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  • 鈴木 貴之(東京大学)
  • 発行日:2021年07月28日
  • 〈抄録〉
    現代の心の哲学においては,物的一元論,とくに機能主義の立場から心の自然化を試みるという立場が支配的である。しかし,この標準的な立場に対しては,近年さまざまな異論が唱えられている。第一に,認知に関する4E理論は,認知は脳内における情報処理ではなく,脳,身体,環境の相互作用であると主張する。第二に,情動の役割を重視する人々は,情動は合理的な意思決定に不可欠な要素であると主張する。第三に,予測する心という見方は,脳の役割は感覚入力の情報処理ではなく,外界のモデル形成とそれに基づく予測であると主張する。第四に,創発主義者は,マクロレベルの現象がミクロレベルの現象に対して影響力を持つことがあると主張する。これらの見方は,心に関する標準的な見方に修正を迫ると同時に,精神疾患を理解するうえで新たな視点をもたらす可能性を有している。

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Four trends in philosophy of mind
鈴木 貴之
東京大学大学院総合文化研究科