臨床精神医学第50巻第7号

診断と精神医学

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  • 石原 孝二(東京大学)
  • 発行日:2021年07月28日
  • 〈抄録〉
    精神医学の歴史は精神疾患の分類の歴史でもあり,その失敗の歴史でもある。20世紀半ばには,疾患分類に基づく診断の権力性に対する批判が展開された。近年では,批判的精神医学やPTMFなど,診断を重視する生物医学モデルを批判しながら,科学的研究に依拠して新たな枠組みを作ろうとする試みがなされている。また,診断を重視せず,「不確実性への耐性」を原則として掲げるオープンダイアローグは,長期にわたるフォローアップ研究において顕著な成果を示している。2021年5月に発表されたWHOのガイダンスは,診断と薬物治療,症状の減少に焦点をあてる生物医学モデルの偏重を「人権に基づくアプローチ」の実現を妨げる要因の一つと指摘している。本稿では,疾患分類の歴史にも触れながら,精神医学における診断の意義のゆらぎについて考察する。

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Diagnosis and psychiatry
石原 孝二
東京大学大学院総合文化研究科