臨床精神医学第50巻第7号

現代の現象学と精神医学

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  • 田中 彰吾(東海大学)
  • 発行日:2021年07月28日
  • 〈抄録〉
    本稿では,現象学と精神医学の関係を歴史的に振り返りつつ,現代における両者の関係を整理して論じる。現象学と精神医学の関係は,20世紀初頭にフッサールが現象学を確立した時期まで遡る。ヤスパースを始め哲学に造詣の深い精神医学者たちが精神病理的経験を記述する方法論として現象学を取り入れることで,両者の関係は「現象学的精神病理学」として確立されていった。この流れは1970年代以降には一度衰退した。しかし,脳内の神経過程と意識現象の相関についての研究が盛んになった1990年代になると,それを受けて現象学が現代的に再興されるに至る。認知神経科学との対話的関係のもとで現代の現象学が発展しつつあることを受けて,精神医学における治療論や精神病理学も,かつてとはやや異なるしかたで,前反省的な生きられる経験の次元に焦点を当てて発展しつつある。

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Contemporary phenomenology and psychiatry
田中 彰吾
東海大学・現代教養センター