臨床精神医学第49巻第3号
医療観察法病棟におけるクライシス・プランの作成と活用に関する実態調査
電子書籍のみ
- 野村 照幸・他(独立行政法人国立病院機構さいがた医療センター)
- 発行日:2020年03月28日
- 〈抄録〉
【目的】医療観察法病棟スタッフにおけるクライシス・プラン作成の開始時期や手順,認識などの実態を明らかにし,有効なクライシス・プラン作成について検討する。【対象と方法】全国30の医療観察法病棟を対象に,2016年1月下旬~ 2月下旬にかけて,管理的立場のスタッフ用とスタッフ全体用の2種類のアンケートへの回答を求めた。管理的立場のスタッフには作成に関する病棟の方針や作成時期などを尋ね,スタッフ全体には作成経験や作成上の困難さ,通院処遇移行後の活用に関する関心などを尋ねた。【結果】30病棟の管理的立場のスタッフ30 名,一般のスタッフ625名から回答が得られた。その結果,クライシス・プランの完成時期が退院直前になる病棟が半数近くあることや,多くのスタッフが「対象者の地域生活に即したもの」などに作成上の困難さを感じていることなどが示された。【考察】今後はクライシス・プラン作成の手順や手続きを標準化することが望ましい。
詳細
Survey of use and create of Crisis Plans in the ward based on Medical Treatment and Supervision Act in Japan
野村 照幸*1 森田 展彰*2 村杉 謙次*3 大谷 保和*2 斎藤 環*2 平林 直次*4
*1 独立行政法人国立病院機構さいがた医療センター
*2 筑波大学医学医療系
*3 国立病院機構小諸高原病院
*4 国立精神・神経医療研究センター病院