臨床精神医学第49巻第3号

精神科における「意識障害」─歴史と概念─

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  • 深尾 憲二朗(帝塚山学院大学)
  • 発行日:2020年03月28日
  • 〈抄録〉
    精神科における「意識障害」の概念について,歴史的観点から概観した。意識障害についての臨床的概念は古代から存在したが,「意識」の概念は近代まで存在せず,精神医学的意識障害の概念は,18~ 19世紀にかけて,生理学的および心理学的な諸概念の発展の中で徐々に出現した。19世紀後半以降,意識障害研究はその対象を症状精神病から酩酊,てんかん,睡眠障害,解離症などへと広げながら,体系化への努力も続けられた。特にEyは,急性精神病についてのフランス精神医学の理論とドイツ精神医学の意識障害論を,英国のジャクソニズムを軸として統合することによって,壮大な体系を築いた。ところが,1980年代以降は操作的診断が浸透したことによって,意識障害研究は停滞することとなった。しかし,1990年代以降は脳科学の発展によって,意識の神経基盤についての学際的研究が活発化しており,意識障害についての豊富な臨床的経験を持った精神科医の貢献が期待される。

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“Disturbance of consciousness” in psychiatry: History and concepts
深尾 憲二朗
帝塚山学院大学人間科学部心理学科