臨床精神医学第49巻第3号

せん妄をきたす疾患─速やかな直接因子の同定のために─

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  • 和田 健(広島市民病院)
  • 発行日:2020年03月28日
  • 〈抄録〉
    せん妄の3つの病因のうち,直接因子はせん妄発症の引き金として重要であり,せん妄の基礎疾患ともいえ,さまざまな身体疾患が該当する。せん妄の治療では,直接因子となっている身体疾患の改善が最も重要であり,速やかな直接因子の同定が求められる。直接因子は単独とは限らず,主たる直接因子が明らかでも,他の疾患,病態が同時に関与している場合もしばしば経験される。せん妄の病態の基礎には,軽度の意識障害があり,意識障害をきたす身体疾患の鑑別に準じて検討していくのが妥当である。鑑別となる身体疾患は,脳神経疾患と内科疾患による脳症に大別され,アルコール離脱症候群や種々の薬剤も直接因子として重要である。身体所見やルーチンの血液検査所見などを適切に評価したうえで,さらに精査が必要と判断したら速やかに行う。そうでない場合は治療を行いながら,せん妄が改善しないなど診断的見直しを要する際に,精査を再検討すべきである。

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Underlying medical illnesses of delirium; clinical viewpoint for prompt identification of precipitating factors
和田 健
広島市立病院機構広島市立広島市民病院精神科