臨床精神医学第49巻第3号

薬剤性せん妄─神経伝達系の観点から─

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  • 眞島 裕樹・他(慶應義塾大学)
  • 発行日:2020年03月28日
  • 〈抄録〉
    せん妄が発症する最終的な過程の一つに神経伝達系の変化があり,多くの薬剤が神経伝達系に直接作用し,せん妄を引き起こす。抗コリン薬・抗ヒスタミン薬・抗うつ薬・抗精神病薬・リチウム・オピオイド・ベンゾジアゼピン系薬剤・ヒスタミンH2受容体拮抗薬などはアセチルコリン神経系の機能低下,精神刺激薬・抗菌薬・抗パーキンソン病薬はドパミン神経系の機能亢進,ベンゾジアゼピン系薬剤・バルビツール酸系薬剤はGABA神経系の機能亢進,ベンゾジアゼピン系薬剤の離脱はGABA神経系の機能低下に伴うドパミン神経系の機能亢進,副腎皮質ステロイドはグルタミン酸神経系の機能亢進,β遮断薬はセロトニン感受性アデニル酸シクラーゼシステムへの作用,アルコールの離脱はノルアドレナリン神経系の機能亢進,抗ヒスタミン薬・ヒスタミンH2受容体拮抗薬はヒスタミン神経系の機能低下がせん妄の原因となる。せん妄の予防にはリスク薬剤の投与を避け,治療には原因薬剤の早期同定と減量・中止が望ましい。

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Drug-induced delirium: From the viewpoint of neurotransmission
眞島 裕樹 竹内 啓善 三村 將
慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室