臨床精神医学第49巻第3号

解離性障害ともうろう状態

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  • 平島 奈津子(国際医療福祉大学三田病院)
  • 発行日:2020年03月28日
  • 〈抄録〉
    解離性もうろう状態では,意識混濁はなく,意識狭窄と意識変容を呈する。その始まりと終わりの境界が明確で,その持続は数時間~数週間にわたり,その人の普段の在りようとは異なり,ときに脱抑制による暴力行為や自殺企図に及ぶことがある。また,不安や不機嫌などの異常な情動,幻覚,妄想などが認められることがある。このような状態から醒めた患者は,その状態での行為や情動などについてまったく追想できないことが多く,その状態について話して聞かされても,他人事のようにしか受けとめられない。解離性もうろう状態は,DSM-5に照らすと,解離性同一性障害における「他とはっきりと区別されるパーソナリティ状態」の出現にあたる。Janetは,同様の状態について「通常の自我から遊離した,さまざまな未知の心理現象が集合し新しい一つの統合体を形成し,それが人格という外観を呈しているのではないか」と考え,「下意識(sub-consciousness)」という概念を提唱した。

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The twilight state in dissociative disorders
平島 奈津子
国際医療福祉大学三田病院精神科