臨床精神医学第48巻第10号
神経発達障害と気分障害
電子書籍のみ
- 小野 和哉（聖マリアンナ医科大学）
- 発行日：2019年10月28日
- 〈抄録〉
神経発達症は，神経系の成熟の課題を中心とした障害群である。一方，気分障害は，その併存障害として多いことが知られている。気分障害が，2次的障害であるのか，併存障害であるのか，あるいは神経発達症の本来の持つ成熟課題が，気分調節機構の成熟という側面でも現れやすいのかについては明らかではない。ここでは神経発達症の中で，注意欠如多動性障害（Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder : ADHD）および自閉スペクトラム症（Autistic Spectrum Disorder : ASD）と気分障害の関係，また不安障障害との関連，さらに最近登場した子ども発症の気分障害である重篤気分調節症（Disruptive Mood Dysregulation Disorder : DMDD）について，最近の知見について概説したい。
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Neurodevelopmental disorder and mood disorder
小野 和哉
聖マリアンナ医科大学神経精神科学教室