肝胆膵第80巻第2号
早期慢性膵炎はMRCPで画像診断可能か
電子書籍のみ
- 伊藤 嵩志,他(関西医科大学)
- 発行日:2020年02月28日
- 〈要旨〉
2009年に早期慢性膵炎の診断基準が世界に先駆けて本邦から提唱された.画像診断としてEUSとERCPが用いられているが,ERCP後膵炎のリスクから早期慢性膵炎の診断をERCPで評価することはほとんどなく,EUSのみで診断されている.MRCPは侵襲の少ない画像評価を行えるモダリティであり,これまでにセクレチン負荷MRCPが早期の慢性膵炎の診断に有効であった報告が散見される.セクレチン非負荷MRCPと早期慢性膵炎の検討は報告がなく,自施設のデータで検討したところ,感度30%,特異度87%と感度は低いものの,特異度は高かった.早期慢性膵炎診断においてMRCPは解決すべき問題は多いが,疾患の拾い上げや診断の一助になる可能性がある.
詳細
What is the role of MRCP in the diagnosis for early chronic pancreatitis?
伊藤 嵩志 池浦 司 岡崎 和一
関西医科大学消化器肝臓内科