肝胆膵第80巻第2号

早期慢性膵炎は慢性膵炎確診・準確診例に移行するのか

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  • 桒谷 将城,他(北海道大学)
  • 発行日:2020年02月28日
  • 〈要旨〉
    早期慢性膵炎は,「慢性膵炎臨床診断基準2009」において,症状,生化学検査,EUS/ERCP画像所見,外分泌機能とアルコール摂取量に基づいた基準が定められることにより明確化されたが,その長期予後や進展については不明である.最近の本邦多施設共同研究の結果によると,早期慢性膵炎83例の2年間の経過観察中,48例(57.8%)は変化なし,31例(37.3%)は改善,4例(4.8%)が増悪して慢性膵炎確診例への移行を示した.また,EUSを施行後に膵全摘を行った症例のEUS所見と病理学的所見との対比を行った検討では,Rosemont分類において‘Indeterminate for CP’,‘Normal’と判定された症例の半数以上の膵病理像において線維化や腺房萎縮が観察された.有症状に対しては,慢性膵炎確診例と同様に対症療法と蛋白分解酵素阻害剤,消化酵素薬を単独もしくは組み合わせて用いることとなる.無症状の場合,早期慢性膵炎の長期予後が明らかではない現状において,治療介入の是非については議論を要する.

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詳細

Early chronic pancreatitis –dose it progress to definite/quasi-definite chronic pancreatitis?
桒谷 将城*1 加藤 新*2 平田 幸司*2 平田 甫*2 坂本 直哉*2
*1北海道大学病院光学医療診療部/消化器内科
*2北海道大学大学院医学研究院消化器内科学教室