臨床精神医学第48巻第4号

序論─外傷性脳損傷の概念の歴史的変遷─

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  • 三村 將(慶應義塾大学)
  • 発行日:2019年04月28日
  • 〈抄録〉
    本特集の序論として,外傷性脳損傷 traumatic brain injury(TBI)の概念の歴史的変遷について,主に精神医学的,神経心理学的観点から概説し,最近の考え方について紹介した。TBIは古来より知られていた概念であったが,19世紀半ばのランドマーク的な症例ゲージにより脳の特定の部位に対する損傷が人格や行動に影響を及ぼしうることが示唆されるようになった。その後は戦争による外傷例やロボトミー例を通じてTBIによる前頭葉損傷と,それに伴う認知と行動の障害に関する知見が蓄積されてきた。近年ではスポーツ外傷や爆傷による慢性外傷性脳症あるいは軽微な反復性TBIが注目されている。さらに,単発の頭部外傷後であっても著しい妄想状態,精神病性障害を呈するTBI例が知られるようになり,慢性外傷性脳症や外傷後の精神障害の症例では,脳内にタウ病変が形成され,伝播していく可能性が指摘されている。

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Introduction : A historical review of traumatic brain injury
三村 將
慶應義塾大学医学部精神神経科学教室