臨床精神医学第48巻第2号
精神科リエゾンチーム加算の意義─常勤医師1人態勢・救命救急センターを有する無床総合病院精神科の場合─
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- 宇田川雅彦・他(船橋市立医療センター)
- 発行日:2019年02月28日
- 〈抄録〉
2012年度の診療報酬改定において精神科リエゾンチーム加算が新設された。船橋市立医療センターは常勤の精神科医師1人態勢の無床総合病院精神科であるが,2017年度より同加算を取得し始めた。同時にリエゾンセンターを開設し,同チームのコアメンバーである精神看護専門看護師と臨床心理技術者を配置した。一般病棟のリエゾンにおいて最も頻度が高いのはせん妄で,リエゾン対象患者全体の約4割を占めている。また,救命救急センターの自殺企図患者に対しては,退院後に通院先のない患者を自科外来につなぎ,その一部に対し保健所職員が訪問を行う自殺予防のモデル事業を行っている。精神科リエゾンチーム加算の今後の課題として,施設基準に精神科医師が常勤である必要性を盛り込むことと,救命救急センターの有無によってリエゾンの負担はかなり異なるため,なんらかの処置を加えることなどを提案した。
詳細
The significance of the addition of medical fees of a psychiatric liaison team -In case of a general hospital which have only one full-time psychiatrist and with an emergency medical center-
宇田川雅彦*1,2 菅原亜有美*2 富田 千代*1,2
*1船橋市立医療センター精神科
*2船橋市立医療センターリエゾンセンター