臨床精神医学第48巻第2号

治療抵抗性統合失調症に対するクロザピンの導入

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  • 中島 振一郎(慶應義塾大学)
  • 発行日:2019年02月28日
  • 〈抄録〉
    統合失調症の陽性症状(幻覚や妄想)に対し,約3割の患者で従来の抗精神病薬は無効である(治療抵抗性統合失調症)。クロザピンは,2種類以上のクロザピン以外の抗精神病薬で十分な治療効果を得られない治療抵抗性統合失調症に対して有効であることが確立されている唯一の薬剤である。一方,重大な副作用(無顆粒球症,糖尿病性ケトアシドーシス,糖尿病性昏睡,心筋炎,心筋症,心膜炎)が起こる可能性もある。そのため,クロザピン導入は慎重に行う必要がある。ガイドラインは,治療抵抗性統合失調症に対するクロザピンの早期の使用を推奨しているが,その導入はしばしば遅れる。クロザピン導入の遅延と治療抵抗性統合失調症の転帰不良との間に関連性がある。ゆえに,臨床医は,治療抵抗性統合失調症の症状転帰を改善するために,クロザピン開始の遅延を短縮するように努めることが望ましい。

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Initiation of clozapine for treatment-resistant schizophrenia
中島 振一郎
慶應義塾大学医学部精神神経科