臨床精神医学第48巻第2号
精神疾患患者の妊娠・出産の連携診療
電子書籍のみ
- 竹内 崇・他(東京医科歯科大学)
- 発行日:2019年02月28日
- 〈抄録〉
日本の周産期医療のレベルは国際比較においても高い水準といわれているが,竹田らによる都内23区の妊産婦異常死の調査により,海外に比し自殺の頻度が極めて高いことが判明した。このような背景のもと,わが国における周産期メンタルヘルスに関する活動は産科側を中心に急速に展開され,平成28年度診療報酬改定において,ハイリスク妊娠管理加算,ハイリスク分娩管理加算,およびハイリスク妊産婦共同管理料の算定対象となる合併症に精神疾患が加えられた。さらに平成30年度診療報酬改定では,精神疾患を合併したハイリスク妊産婦に対して,産科,精神科および自治体の多職種が連携して患者の外来診療を行う場合のハイリスク妊産婦連携指導料が新設されている。周産期における多職種による連携診療は,開始されて日が浅く課題は少なくないが,社会的にも注目されている領域であり,今後さらなる発展が望まれる。
詳細
Cooperative medical treatment in pregnancy and childbirth for patients with mental disorders
竹内 崇*1 武藤 仁志*1 松岡 裕美*2 村上 一徳*1 野口 澄子*1 有川 淑恵*2
*1東京医科歯科大学医学部附属病院精神科
*2東京医科歯科大学医学部附属病院看護部