臨床精神医学第53巻第8号

高次脳機能障害総論─歴史と定義,診断と問題点─

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  • 阿部 大数・他(東京医科歯科大学)
  • 発行日:2024年08月28日
  • 〈抄録〉
    高次脳機能障害を生ずる脳の疾患は多岐にわたり,その診断と治療も複数の診療科・施設による多面的なアプローチが必要となる。高次脳機能障害患者に対する診断や支援体制の整備は,2001年に開始された高次脳機能障害支援モデル事業に端を発し,障害者自立支援法の下,支援体制の拡充が図られた。それからおよそ20年が経過し,診断・支援を享受できる患者が確実に増加した一方で,現状の制度による問題点も浮き彫りとなっている。多数の医療者・医療機関が診療に関わるがゆえに生じる診療連携の不足は,患者のドロップアウトや,診断の不適格性(過小診断,過剰診断)の原因となる大きな課題である。また,高次脳機能障害に関連した精神症状は社会的問題行動へと発展し得るが,それに対する系統的な対処方法は確立されていない。こうした問題に対して,診療科や施設の垣根を越えて啓発と積極的な診療参加に取り組んでいくことが求められる。

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Higher brain dysfunction (history, definition, diagnosis, and problems)
阿部 大数 前原 健寿
東京医科歯科大学脳神経外科