臨床精神医学第53巻第5号

周産期における必須脂肪酸バランスの重要性

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  • 原馬 明子(麻布大学)
  • 発行日:2024年05月28日
  • 〈抄録〉哺乳動物の子は幼弱な状態で生まれるため,自立するまで親や周りの者が養育しなければならない。周産期の母親の養育行動は,生得的な本能的欲求として備わっているが自然に湧き出てくるようなものではなく,子からの感覚刺激が動機となって起こる。ヒトの場合は,その行動を習得するために経験や学習が必要であるが,マウスなどのげっ歯類の母獣はヒトと違って誰に教わることなく,初産の妊娠中から出産の準備のために巣を作り,出産し,授乳や育児などのスムーズな養育行動の連鎖が観察される。しかし,栄養素の一つである脂質のバランスが崩れることでその行動が遅延したり流れが滞り,現状に対応しきれない母獣が観察された。この現象はマウス社会に限ったことではなく,ヒトの行動にも共通点があるとわれわれは考えている。本稿では,実験的に検証してきた必須脂肪酸であるω3 系脂肪酸の周産期への影響について解説する。

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The importance of essential fatty acid balance during the perinatal period
原馬 明子
麻布大学生命・環境科学部機能性脂質学研究室