臨床精神医学第51巻第2号

精神科領域における症例報告の倫理

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  • 栗原 千絵子(神奈川歯科大学)
  • 発行日:2022年02月28日
  • 〈抄録〉
    日本精神神経学会では「症例報告を含む医学論文及び学会発表におけるプライバシー保護に関するガイドライン」とそのQ&Aにより症例報告の対象となる者のプライバシー保護と同意取得に関する原則を示している。筆者は同学会の倫理委員会委員としてその作成と普及啓発活動に携わってきた。本稿では,検討・運用経緯を紹介し,今後取り組むべき課題について個人的な見解を述べる。ガイドラインは,症例報告の対象となる個人の権利・利益を科学的目的に優先させる方針に基づき作成・運用されている。同意取得困難な症例については,選択バイアス,報告バイアス,観察バイアスの可能性に十分に注意しながら,プライバシー保護と同意取得の原則のもとに科学的インテグリティを保持する努力が求められる。今後,個人情報保護法の改正,当事者・市民参画の推進を反映して,科学的・社会的に価値の高い症例報告が発表されていくことが,強く望まれる。

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Ethics of case reports in psychiatry
栗原 千絵子
神奈川歯科大学