臨床精神医学第50巻第9号
児童青年期から成人期までのメンタルへルス―ライフコースアプローチの視点から―
電子書籍のみ
- 神尾 陽子(発達障害クリニック附属発達研究所)
- 発行日:2021年09月28日
- 〈抄録〉
超高齢化が進んだ今日の社会で,安定したメンタルへルスを長いライフコースを通して維持することは,個人にとってだけでなく社会全体にとって重要な政策目標となる。長期にわたってメンタルへルスを調べたこれまでの研究から,成人期のメンタルへルスの問題の大半は児童青年期から始まっており,また児童青年期のメンタルへルスの問題は,診断の有無にかかわらず,成人期のメンタルへルス,健康全般,法的,教育,職業,社会的な予後に影響があることが示されている。さらに児童青年のメンタルへルスの問題は,家族全体の機能不全とも密接な関係がある。ライフコースアプローチに立った問題解決のための施策には,初等中等教育でのメンタルへルス教育の実装,子どもの精神障害/メンタルへルスの問題に対応した地域包括ケアシステムの構築,そしてエビデンスに基づく政策決定・政策評価に必要なデータ・情報収集体制の構築が重要となるだろう。
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Mental health from childhood, through adolescence to adulthood: from a viewpoint of life-course approach
神尾 陽子
発達障害クリニック附属発達研究所