臨床精神医学第48巻第9号
精神科病院におけるAI 技術の活用
電子書籍のみ
- 藤田 潔(桶狭間病院藤田こころケアセンター)
- 発行日:2019年09月28日
- 〈抄録〉
精神科電子カルテは9割以上が文章であり量も膨大である。その文章すべてに目を通すには莫大な時間と労力を要し,結果として重大な問題点や診療に役立つ大切な情報を見逃す可能性が存在する。このような問題を解決するために大塚製薬(株)と日本アイ・ビー・エム(株)が開発したMENTAT®を臨床応用することになった。MENTAT®は電子カルテに入力されたテキスト情報を,自然言語処理技術を用いて構造化し分析可能な症例データベースを構築する。その結果,患者のさまざまな症状変化や環境変化,薬の処方履歴,同じ特徴を持った類似患者のアウトカムなどを画面上に一目で見やすく表示でき,診療の参考にできるようになった。有益な情報が詰まった電子カルテ情報から,“目では見えないこころの問題”を“見える化”し,さらに複雑に絡み合ったこれらの問題に解析を加えることで,これまで気づかなかった問題に対する解決策のヒントを提供する精神科電子カルテ分析ソリューションである。
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Utilization of AI technology in psychiatric hospitals
藤田 潔
桶狭間病院藤田こころケアセンター