臨床精神医学第48巻第9号

AI に精神療法は可能か?

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  • 岡野 憲一郎(京都大学)
  • 発行日:2019年09月28日
  • 〈抄録〉
    AIに精神療法が可能かどうか,はひとことでは答えられない問いである。AIが将来感情を持つようになる可能性は見えず,また人間と対等で知的な対話を交わせるようになるのははるか先のことになろう。その意味では人間のセラピストが通常備える機能をAIが近未来に獲得することは考えられない。しかし他方ではペットが人と気持ちを通わせ合うことを私たちは日常的に体験し,また無生物がある種の癒しの効果を有することはしばしば観察される。人は単なるモノにも生命や感情を投影する力を存分に備えているからであろう。そこでAIを人間に対峙するセラピストではなく,いわば人の拡張知能として利用可能な道具とみなし,そのうえでセラピストとしての機能の一部を委託することは十分可能ではないだろうか。特にAIがクライエントに関する情報を集積させ,それをもとに「他意のない」フィードバックを提供することは,場合によってはAIセラピストだからこそ可能な機能とも考えられよう。

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Can AI do psychotherapy?
岡野 憲一郎
京都大学大学院教育学研究科