肝胆膵第83巻第1号
現時点でのNAFLD患者における肝生検の適応
電子書籍のみ
- 鎌田 佳宏(大阪大学)
- 発行日:2021年07月28日
- 〈要旨〉
NAFLD/NASHの診断には,肝生検による肝臓組織診断がゴールドスタンダードである.しかしながら肝生検は侵襲性のある検査であり,本邦では入院加療が必要なため約2,000万人存在するNAFLD患者全員に行うことは不可能である.肝生検による肝組織診断は人体の実質臓器で最大の肝臓のごく一部の診断となるため,生検部位による診断の差が問題である.またNASH診断に重要なballooning hepatocyte診断は肝臓病理医間での一致率が低く,診断者間でのバラつきも問題である.バイオマーカーや画像診断などの非侵襲的診断法により症例を絞り込み,NAFLD患者における肝生検の適応は慎重に考慮する必要がある.
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Current indications for liver biopsy in NAFLD patients
鎌田 佳宏
大阪大学大学院医学系研究科生体物理工学・消化器内科学