肝胆膵第83巻第1号
NAFLD/NASHの有病率の変遷-非肥満者におけるNAFLD/NASHの有病率は-
電子書籍のみ
- 小木曽 智美,他(東京女子医科大学)
- 発行日:2021年07月28日
- 〈要旨〉
NAFLD/ NASHは,肥満,糖尿病,高血圧,脂質異常症などの生活習慣病により発症する肝疾患で,近年増加している.また,アジアを中心に非肥満者にもみられ,lean NAFLD/NASHと呼ばれる.非肥満者の定義は,BMI<25 kg/m2が多いが,< 23とする報告もあり,明確な定義はない.世界各国での一般人口における有病率は5 ~26%であり,アジアに多い.日本ではBMI<23での有病率は2012年には10.5%,近年では20.7%と報告される.高齢者やPNPLA3のリスクアレル保有地域に多い.リスク因子としては,体重増加,遅い時間の夕食,飲酒があげられ,高齢者ではサルコペニアや複製機構やフリーラジカルの除去機構の老化が推定されている.肝関連死が多く,拾い上げおよび治療法の確立が今後の課題である.
詳細
The prevalence of lean NAFLD/NASH
小木曽 智美 徳重 克年
東京女子医科大学消化器内科