肝胆膵第81巻第1号
DAA治療によるSVRは多段階肝発癌を抑制するか- EOB-MRIの有用性-
電子書籍のみ
- 豊田 秀徳,他(大垣市民病院)
- 発行日:2020年07月28日
- 〈要旨〉
DAAによる抗HCV治療開始前のgadolinium–ethoxybenzyl–diethylenetriaminepentaacetic acid造影MRI(EOB-MRI)肝細胞相で非濃染結節を認めた症例において,DAAによるSVR後の多血化率・多血性肝細胞癌への移行率をHCV持続感染例と比較した.治療後5.5年までの観察で,非濃染結節の多血化率はSVR例でHCV持続感染例に比し有意に低かった.DAAによるSVR症例に認められる治療後の肝発癌の抑制には,肝線維化の改善による新規発癌の抑制に加えて,すでに多段階肝発癌の過程に入った結節の多血性肝癌への進行の抑制も寄与している可能性が示唆された.
詳細
Suppression of the hypervascularization of non-hypervascular hypointense nodule on EOB-MRI with the eradication of HCV by DAA in patients with chronic hepatitis C
豊田 秀徳*1 安田 諭*1 熊田 卓*2
*1大垣市民病院消化器内科
*2岐阜協立大学看護学部