肝胆膵第81巻第1号
HCVワクチンの意義と開発の見通しはあるか
電子書籍のみ
- 加藤 孝宣(国立感染症研究所)
- 発行日:2020年07月28日
- 〈要旨〉
C型慢性肝炎に対する治療法が確立された現在においても,HCVワクチンは必要と思われる.日本国内でもHCV感染に気づいていない人や,知っていても治療を受けない人が多く存在する.また感染のハイリスク群となる集団も知られている.HCVの新規感染を完全に抑えるためには感染予防が可能なワクチンが必要であり,現在でもその開発が続けられている.これまで数多くのワクチン候補が検討され,そのいくつかについてはすでにヒト臨床試験が行われている.しかしいずれもその感染防御効果は不十分であり,現在までに使用可能となったワクチンは存在しない.さらなる開発と早期の実用化が望まれる.
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HCV vaccine: challenges and prospects
加藤 孝宣
国立感染症研究所ウイルス第二部